妻の手を握り続ける為に
手を握ろうにも
妻がハンチントン病を発病して、付き添いや介助・介護で妻の手を握る回数が増えた。生活の主体がベット上になってからも、声を掛けたり隣に居る意思表示として、手を握る様にしています。
ハンチントン病の不随意運動の個人的な印象は、無意識の動きの中にも身体を触られたり握られたりした時の反射もあると実感しています。なので、「ただいま~」や「横に居るよ~」と声を掛けた時に触ったりすると反発するかの様に動き出します。
これをご理解頂けていない方や妻との接する時間が短い方などは、そのまま嫌がっているや振り払われたとショックを受けてしまいます。私も、私に触られるのが嫌だから動き出すと考えていた時期もあったので、普通にイラっとしていました。
今では、『ちゃんと握っているのが判っている』というメッセージとして捉える事が出来る様になったので、ガシっと握って妻の動きに負けない様に力で押さえ込みながら、傍からの見た目には何事も無く手を握っている風にしています。
精神論とは別に
この手を握るという事。なんとなく無言でも気楽に出来る一番簡単なコミュニケーションだと思います。しかし、これもお互いにそれを行うまたは受け入れる下準備があればこそです。
受け入れて貰う為の下準備。これは継続しかないと悟りました。恥ずかしいとか暑苦しいとか何を言われても私=手を握る人を刷り込むしかないと思います。上記の事を言われた時は正直凹みましたが、これが自然な事と慣らしていくしかありませんでした。※成熟した結婚生活を迎えられている方が予告なしにこれを始めると浮気の体裁を取り繕っている様に疑われるそうなので、ご注意下さい。
話しは戻って、介護の上では妻に気付いて貰う為だとか、妻が不安にならない様にとか色々ありますが、単純に私が触りたいから触っているだけというのが一番です。
あっ、爪きり前の写真
その為、変な話しですが、私が妻の手を触りたいと思える様に私が妻の手をケアしておかなければなりません。
つまり、手を握った時に(私の手が)痛くない様に爪を切ったり、(私が触った時に)肌触りが良い様に垢すりを行ったりとケアに時間を惜しみません。
患者である妻ファーストでないから可哀想と言われる方が居られるのですが、妻ファーストにしなければいけないプレッシャーで動けなくなるケースより、結果的に付き添っている私が行動に起こせているので全然OKだと思っています。
目的はどうあれ、妻の爪は整い、おまけに見栄えと割れない様にする為にコート剤をフーフー吹きながら塗り、洗面器の色が変わるくらいの垢すりをして触り飽きない手に仕上げています。あと、やる事は同じなので手もついでに足も。
100均で買った垢すりグローブ
結果的に
私が毎日触りたいと思うぐらいになっているので、時々様子を見に来てくれる家族や当番制でケアをして頂いている訪問看護さんも気付いてくれます。
そして、自然と手に触れている時間が出来るので安心感が増しているのではないかと考えています。
これも個人的な考えですが、言葉のコミュニケーションやケアを行う時の手の触れ合いは、短時間でも大きな力になっていると思っています。
ただ、どうせ声を掛けるなら触れ合いを持つのであれば、付き添うこちら側も気持ちの良いものでないと力が半減もしくは意味が無いものになってしまう様に感じています。
心の声
・いずれ是非を聞きたい事もあるんだけど、まとめきれていない。
・素人エステが100均の道具で垢すりをするのだから痛いはず。美は我慢。
・長期入院とか施設入所の方はどうされてるんだろ。
・自分もやってみて、踵と膝の量にドン引いた。
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