(追記)薬の調整で大事にした事
薬は大事だけど
妻の遺伝子診断が確定して、ハンチントン病の本格的な治療が始まった。と言っても抜本的な治療法は無く、現状の維持を目標とするのが大前提という説明だった。
そんな状態でも、ハンチントン病とは異なる病気で使用されてる薬を組み合わせて症状を緩和して頂ける方法を探って頂いた。
色々な説明を受け、数種類の薬を服薬する事になったが、その内容を決める中で妻からお願いがあった。
それは、現在観ているドラマを見逃したくないと私が家にいる時には一緒に居たいという事だった。説明の中に、それぞれの薬の副作用の中に眠気が起こるという事に強く反応して、動きは止めたいけど眠ってしまうのは嫌だと言うのだ。
通院以外に、自宅では2人で出来る散歩や運動を行う時間を増しましょうや食生活に気を付けて下さいとのご指導には素直に従っていた妻が、この眠気については自分の意思をはっきりと出した事は驚きと同時に嬉しさが込み上げて来た。
医師と相談して、その意志は尊重するという事になり服薬する量などを減らすなりして様子を見て行こうという事になった。
妻の問診以外に
この日を境に、妻の問診が行われた後に妻だけ待合室に戻し、少しだけ私と医師だけで話しを行う時間を頂く様になった。
妻の意見・意志に対して真正面から切り捨てたり疑問を抱く事が無いように、少し難しい言葉でも構わないので医師のお考えと可能かどうかをご判断をお願いした。
また、私が疑問に思っている事も質問させて貰い、同じ方向を見て病気に取り組める様にさせて頂いた。
この時話した事は、帰りの車内や自宅で私の言葉で話しを行い、妻だけが取り残されて居ない様にケアもした。
薬の管理
ハンチントン病の症状の中に、物事への執着と無関心が起こる可能性があったので、飲み過ぎや飲み忘れを防ぐ為に 薬の管理は基本的に最初から私が行った。
途中から手を差し伸べると『信用していない』や『ダメなんだ』と負の方向に行くかな?と思ったので、最初から行った。
これは、本人の元からの性格というより病気の症状なんだからとある程度割り切らないと、付き添う側も大変かなと思う。
ただ、以前も書いたが、絶望的に薬を切り離すのが大嫌いだ。
結果論
今思い返すと、妻の願いを叶える為に薬の量を調整していたお陰で、急激に状態が悪くなった時、身体に負担を掛ける事無く服薬量を増やせる幅を持たす事が出来たと考えている。
結果的に、今現在でも服薬出来る最大量は使用していない。増やしても、特別大きな違いが観察出来なかったからだ。
この方法が同じハンチントン病の方々でも必ずしも有効だと思わないし、現在では、(私個人は)初期段階では有効だと思うコレアジン(テトラベナジン)なども定着しているので当時よりは選択肢や組み合わせが増えていると実感している。
ただ、単に医師から処方されるだけではなく、薬を活用して生活を続ける上で自分たちが何を大切にしているのか、優先順位をどう考えているかはしっかりと伝える必要はあると思う。
どんなに良い薬でも光と影は存在すると思うので、何を得て何を犠牲にするか。
医師だけの考えで選択すると、後悔や疑念を抱く隙が出てくると考えている。
心の声
薬の管理も結果論も含めて、良い事も悪い事も全部病気のせい。ただ、色んな方のお話しをお伺いしていると、病気になっもならなくても年を重ねれば同じ事が起こるのかなとも思う。なら、本人が出来なかった事また私が出来なかった事や忘れてしまっていた事で立ち止まらないという事も必要だったと思います。
今まで、何回薬を準備するのを忘れたか。正直、数えられないぐらいあるし数える気もありません。その数を覚えておくぐらいなら、服薬を忘れたくない(笑)。妻の方がしっかりしているので、何度も用意していなかったと怒られています。
薬は処方箋通り、用法用量を守って正しく使用しましょう!!
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