天孫降臨の地で自然を堪能


夜のニュースを見ていて





妻のハンチントン病が今ほど進行していない頃、車いすを車に積み込んで九州・中国地方への旅行やドライブを行う事は私たちの日常でした。




そんな外に出るのも嫌になる様な冬のある日の夜。ニュースで翌日の天気を見て居ると宮崎県高千穂方面の天気が気になりました。




その日は、お昼過ぎまで私たちの地域を含めて雨が降っていました。




翌日は快晴の為、放射冷却で冷え込みが厳しくなる予報でした。




以前から、こう言う天気だったら行ってみたいなぁと思っていた天気そのもの。




慌ててパソコンを起動し、気象庁や民間会社の予報と気圧配置を確認して翌日の早朝なら必ず見れると確信しました。




この時が、22時。




準備から出発





傍らで服薬を済ませて寝ている妻のバイタルを計ると問題無し。




車に車いすや防寒着を積み込み、2人の着替えを済ませて妻も助手席に投げ込んでキンキンに冷え込みながら満天の星が見ながら24時に家を出発しました。




妻は既に眠剤まで服薬していた為、移動はおろか道中も起きる事はありませんでした。




そんな、熟睡している妻には申し訳ないかなとも思いましたが、眠気を吹き飛ばす為に音楽をガンガンに流して、1人カラオケ状態で走り続けました。




よく考えてみれば





高千穂まであと1/3まで来た所で初めてのトイレ休憩。




温かいお茶を飲みながらよく考えてみると、今から行こうとしている所は車いすが通れるか確認していませんでした。




慌てて観光協会のホームページを見てみると、駐車場と舗装された参道も確保されている様でした。




ガイドブックにも特集が組まれる様な有名観光地でもあるので、たぶん大丈夫だろうと自分に言い聞かせて、時間調整も兼ねて暫く休憩をしてから出発しました。




時間は3時。妻は、未だ熟睡中。




神話の里





今回目指したのは、宮崎県の北部にある古事記天孫降臨の地とされている高千穂。




天照大御神がお姿を隠された天岩戸やその時に解決法を八百万の神々が話しあったとされる天安河原




古事記に由来する名所は数々ありますが、その中の神武天皇の御孫・建磐龍命(タテイワタツノミコト)が、 九州統治の際に立ち寄って国見をされたという国見ヶ丘です。




この場所は、眼下に街並みを見下ろせる展望台になっています。




天気を気にしていたのは、この地域独特の地形と天候が合致するととても幻想的な景色が観れるスポットだったからです。




街道沿いに設置されていた案内板を頼りに山道を登っていくと、観光バスや県外ナンバーの車が既に準備をされていました。




私たちが到着したのは5時。




この辺りに差し掛かった頃には妻も目が覚めていました。




日の出前の闇が深くなる時間。冷え込みが一段と厳しくなって行く中、妻を車イスに移乗させて防寒対策を兼ねたクマさんを握らせて駐車場から展望台に移動を始めました。




拓けた頂上までの道は綺麗に舗装されていて、道幅も広くとても暗がりの中でもとても移動し易かったです。




一度は観たかった・観せたかった風景





時間が経つにつけて周りにいた人たちの顔が見えるぐらい明るくなってきました。




街並みの街灯が見える方向を望みながら待っていると、明るくなっているはずなのに街並みが段々と見えなくなって行きました。




真下は町




山の方から湧き出した霧や低い空に出来る が盆地に溜まると街灯を見えなくなってしまうぐらい濃い物: 雲海 になります。




この日は、前日の雨で水分は十分。放射冷却で雲が発生しやすい。気圧配置では強い風が起きにくく溜まりやすい。と思ったので、妻を引っ張り出してまで観に来ました。




予想は大当たり。




文字で説明しきれないので写真でどうぞ。








本当に感動的な風景でした。




妻もこの時ぐらいまでは掛ける事が出来ていた眼鏡越しに泣いていました。








最後に自撮りをしようとしていたのですが、近くにいたおじさんが二人の写真を撮ってくれました。




心遣いが嬉しかったです。




この日は、これを観に来ただけだったので特に寄り道もせず真っすぐ帰路に着きました。




今でも良い思い出です。







心の声





・おじさんに渡したタブレット。バースト撮影で20枚ぐらい撮れていた(笑)。




・妻の防寒を意識し過ぎて寒かった。




・帰る時に雲海が若干残っていて前方の車や信号が全然見えなかった。

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別のブログサイトで書いていた記事を転記しています。 新規記事は、連携している(https://ameblo.jp/hantintonkaigo)にて公開しています。

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