自宅介護の勘違い
間違えてはいけない
年代が近かったり、以前から交友がある方々も歳を重ねる中でご自身を取り巻く環境が変わり、これから自宅介護を始められる方や始められて間もない方が居られます。
程度の差はありますが、妻のハンチントン病と言う病についてもご存知だったり、私が行っている自宅介護・在宅介護についてもご理解頂いている方はどの様にしているのか、何を使っているのか聞きに来られる事があります。
そんな方々と話をしていて感じる事が、【自宅で看るのだから】『自分だけでどうにかしたい』、【施設に預けないから】『自分でどうにかしないといけない』と思われて始めて居られると思います。
しっかりと線を引く
私自身もそうでしたが、介護ってそんなに肩肘を張ってやるものなのでしょうか?
自分自身に大切の人の命が掛かっている!
間違いではないと思います。
ただ、残念ながら不老不死の方は存在しないようです。オカルト系の方は反論されるかも知れませんが、少なくとも私の周りでは居りません。
私の介護スタートは『一番近い場所で妻を看取る事』だったので、少しずれているかも知れません。
私の介護は、妻が死んでしまう事が前提で永遠に生き続けてとは一ミリも思っていません。
誤解が内容に補足しておくと、『病気が完治して一般的な生活が出来るならそうあって欲しい』と心の底から思いますし、多少のリスクは冒してしまうかもと自覚があります。
あと3年でハンチントン病が完治する特効薬が販売されると言うのであれば、何が何でも生き延びさせます。しかし、それが叶わないのであれば介護を開始するのと同時に一線を引く決断も必要だと思います。
そこの線引きをしないと長期的な介護は出来なかったし出来ないだろうと思っています。
逆にその線引きが出来たお陰で、今日も妻と一緒に自宅に居る事が出来ます。
世間一般にイメージされている介護や行政や医学界が推奨している介護。
正直、補助や助成がそんなに手厚くないのに、その通りの事なんてやってられません。
理想を高くし過ぎると越えられなかった時の反動(介護鬱)の方が警戒すべきだと思います。
意外と
老け込んだ見出しを付けてしまいましたが、正直、今の時代から介護を始められる方を心の底から羨ましく思います。
当時はインターネットを活用した情報発信も始まったばかりで、情報を集める方法を探す方法が分らない状態でした。
今だと検索すれば出て来る些細な事も、当時は逐一役所や病院の連携室に聞くしかありませんでした。
各地方自治体の規模や対応出来る能力は異なるでしょうが、私たちが自宅生活を決心した時からすると情報は開かれていて、当事者の意見が全て反映されていないにしろ確実に良くはなっています。
後はそれをどの様に活用するかだと思うのですが、決心を固めるだけ考えられているので、意固地になったり『どうせ駄目だろうから』と諦めから入られている様に感じます。
勿論、制度運用が決まっている以上使えない物は使えないのですが、【何に困っている】と【どの様に困っている】を別々に説明すると最初に希望していた事とは別の方法をご提案頂ける事があります。
妻のハンチントン病は認知度がまだまだ低いので、(数年で交代してしまう)窓口担当の方に実際の症状の動画などを見て頂いて、『こんな事になってしまうから〇〇〇は出来ない?』とお聞きしていました。そして、窓口担当の方が移動された後の後任の方にも同じ事をしています。
窓口担当の方々は必ずしも介護や医学の心得がある方ではないので、まずこちら側から現状をしっかり発信して担当の方にご理解頂かないと話が進まず、二度手間三度手間になってしまいます。
別に全部する必要はないけど
先程も書きましたが、少しづつではありますが自宅で行う介護環境は良くなっています。
在宅診療(往診) や訪問歯科、訪問リハビリ、訪問看護、訪問介護、訪問入浴、ケアマネジャー、相談員などなど介護される方だけでなく介護を行う方をサポートする体制は出来ています。
ただ、残念な事にこちらから必要としていると問い掛けをしないと具体的な相談先を教えて頂けないのが実状です。
逆に言えば、ご自身で調べて出て来た物を箇条書きなどで書き留めて置いて、役所や病院の連携室で『現在使用出来るのか』『(病気が進行すると)今後使用出来る物はあるか』を先に聞いておくと、実際に必要になった時に話がスムーズになると実感しました。
実際に、現時点では必要ないけど今後必要になるかもとお話しを聞いていた訪問入浴を6-7年後に利用し始めました。
私は専門的な物以外で、自分でやりたい物を決めてそこからお願いする物を引いていきました。
けど、自宅介護を行う以上、緊急時や災害発生時、お願いしていた施設の閉鎖など環境変化に対応する為には一通りの事を経験しておくことはお薦めします。
心の声
・痰吸引でカテーテルを入れれる様になるのに、1ヶ月ぐらい掛かった。
・服薬を忘れてご自身を責めて鬱になられた方を知っている。その方が忘れたのは整腸剤。今では笑い話になっている事が本当に嬉しい。
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